フォーン!フォーン!ヴォン!ヴォン!ヴォヴォ!カシュー!
『わりー!ダートだったもんで、遅れちまったー!・・まったー!』
『1時間位、まちましたよ!私についてこないから・・・・』
と、重田が”麓郷の森”に遅れてきた僕を出迎えてくれた。
”重田”のほかに本間・望月そして”マキちゃん”の姿があった。
フェリーで知り合った彼女たちとは、ひょんな事からここ富良野で再会し、
今日一日、札幌までの道程を同行することとなったのだ。
それぞれが北の大地に散って、7日目のことである。
再会した時の僕は、体調を崩していたのでコンビニのトイレを出たり入ったり・・・
僕の”う○こ”のためにみんなを待たせるのは、悪いと思い先に”麓郷の森”へ
行ってもらう事にしたのがまたまた”うん”のつき(パンツには付けなかった)
ダートに迷い込んで1時間も遅れて到着したのだった。
”黒板五郎の丸太小屋”は、楽しみにしていたのだが、みんなを待たせたという罪悪感
から、心の中では”くそ!くそ!くそ!”と呟きながら早足で見に行ったのだった。
タッ!タッ!タッ!タッ!タッ!・・・・・・・・・・・
丸太小屋を駆け足でまわり、息を切らせながら、みんなのところへ戻った僕は、一瞬
たじろいだ。
”なんなんだ!この雰囲気は、再会してまだ間もないというのに・・・・・・・”
”数年来の付き合いのように打ち解けている。”
”本間を除いても、ロベたな望月とフルが心を開いている。”
今まで見たことのない光景が僕の目の前で展開されていた。
”・・・・まてよ・・・・・”
”気が付けば、この再会だって、まるで倉本聡のシナリオのようなできだ。”
僕は、一瞬、ドラマの世界へ引き込まれるような措覚を感じていた。
思い出というものは、時がたつにつれてより美しいものへと変化していくものだ。
しかし、今僕の見ている世界は現実であり、思い出ではないはずだ。
ところがその現実が今この場で、より美しいものへと刻々と変化していくのだった。
”とても不思議な気持ちだった。”
そんな僕もみんなと”石の家”で記念スナップを撮った頃には、その輪の中へ自然と
溶けこんでいったのだった。
そして、僕らは、札幌へ向かうべく、ここ”麓郷の森”をあとにしたのだった。
万感のエグゾースト・ノートをあとに・・・・・・・・・
フォーン!フォーン!フォー・・・・・・・・・