電車を降りた僕らは、しばらく名も知らぬ駅でボー然としていた。
みんな、かたくなにロを閉ざし、激情の静寂の中に身を封じ込めていた。
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
と、その静寂を破ったのは、意外にも”フル”だった。
『まってるよ!ぜったい!まってるって!・・・・・・』
『次の電車で札幌に戻って、タクシーで行けばいいじゃん!!・・まってるって−・・』
一瞬、驚いたが僕もその言葉につずいた。
『このままじゃ!終われねーよ!俺たちがそんな男だと思われたくね−じゃん!』
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
と、次の瞬間!4人は走り出していた。タッ!タッ!タッ!タッ!・・・・
そう、次の電車の時刻を確認するためだけに・・・・。
走る必要などないはずなのだが、体が勝手に動くのだった。
タッ!タッ!タッ!タッ!タッ!タッ・・・・・・
『あと!5分だ!8時過ぎには札幌へ戻れる!』
ガタンゴトン・・ガタンゴトン・・
僕たち4人が再び電車に乗り込んでから、どれだけの時間がたったであろう。
札幌までの時間は、ほんとうに長く感じられた。
しかし、電車の窓から望む夜景は、ほんとうに美しく、僕はその流れる夜景の中に
今日一日の事をあらためて思い浮かべていた。
ガタンゴトン・・ガタンゴトン・・ガタンゴトン・・・・・・・・・・・・・・・