ヴォオオオオオオオーン!フォオオオオオオーン!
互いのエグゾースト・ノートが共鳴して奏でるBGMは、スクロールされるシーンを
際立たせている。
自然は、最高の脇役であり、オートバイとライダーを光らせる。
バックミラーの陽炎の中に本間が踊る、少し遅れてフルがいる・・静と動との共演だ
そして、交差点ごとに炸裂する望月の爆音・・・・
それに守られる重田とマキちゃんのやさしさが演出されている。
そう、このシーンには台詞は、いらないのだ。
最高の舞台と最高のキャストがいれば、何もいらない・・・・・・
フォーオオオオオオーン!フォオオオオ・・・・・・・・・

焼け付くハイウェイを僕らは、札幌に向かってひた走った。
途中、さぴれたドライブインで昼食をとり、後は高速にのり一気に札幌へ向かった。

フォオオオオオーン!フォン!フォン!・・・・・・・・
『それじゃー!7時にサッポロビール苑で・・・・・・』と、僕らの言葉に
『うん!それじゃー・・・・・・・』と、重田とマキちゃんが笑顔で答える。
そして、
僕らは、札幌ICをあとにし、宿のある”小樽”へ向かったのだった。
『必ず、待ってるから・・・・・・』  ”必ず、待ってるから”
”・・・・待ってる・・・・”
という彼女たちの言葉が今もはっきり心に残ってる。
”こんなエンディングかよ!・・・くそーおー!!!!”

カンカンカン・・・ガタンゴトン・・ガタンゴトン・・・・・
僕は、あたり所の無いくやしさから、いやおうなしに現実世界へと引き戻されていた。
・・・・僕は、まだ電車の中にいた・・・・
と、その時
”お疲れさまでした・・次は終点、札幌・札幌。おわすれ・・・・・”
と車中アナウンスが流れた。
みんなの矢のようなアイ・コンタクトが、飛び交う。
そして、札幌駅に到着した電車は、そのかたく閉ざされた扉を開いたのだった。
一番最初に飛び出したのは、望月だった。それに本間がつづく・・・・・
タッ!タッ!タッ!タッ!タッ!タッ!タッ・・・・・・・・・・・