タッ!タッ!タッ!タッ!タッ!タッ!タッ・・・・・・・・・・・・・・
正直いって、サッポロビール苑にどうやって行ったか、よく覚えていないのだ。
ただ、二段飛ばしの階段、人ごみを駆け抜けていくみんなの姿と、それに遅れまいと
息をきらす自分の姿だけが脳裏に焼き付いていた。
『すいません!サッポロビール苑まで・・・急いで・・・』
バタン!プゥウウウウーン・・・・・・・・・・・・・・・
タクシーの窓の外をきらびやかな札幌の町並が、流れていく。しかし、僕らは、
そんな景色に目もくれず、サッポロビール苑の象徴である塔を探していた。
『見えた!あれだ!ガイドブックどうりだ!』
そして、タクシーを降りた僕らの前には、美しくライトアップされたサッポロビール苑
が立たずんでいた。
僕は、一瞬見上げた後、みんなと共にゲートへ向かった。
”・・・・いない・・・・”
『いねーよ!1時間半だもんなー!』 時刻は、8時半を回っていた。
『まっ!朝までには見つかるらー!ユース!かたっぱしから、探すベー!!』
と、次の瞬間!フルのテンションの高い声が上がった。
『いた!いた!いたよー!』と、僕もその声の方へ駆け寄っていった。
フルの”指”差す方向には、マキちゃんと重田の姿があった。
僕らは、手をあわせ言葉にならない”ゴメン”を何度も何度も繰り返していた。
そして、本間が彼女たちに駆け寄る。続いて、僕も・・・・・・・・
気がつけば、両手に彼女たちを抱きしめ子供のように、はしゃぎまわっていた。
ゲート前で遠巻きに見守る人々の視線など、まったく気にならなかった。
”よかった”ほんとうによかった・・・・”
僕は、彼女たちのシャンプーの香りといっしょに大きな安堵感に包まれていた。
”うそじゃーないんだ!・・・” ”夢じゃーないんだ!”
”そーさ!ここは 夢の降る町 札幌!! 今、僕はここに立っている!!”
”そーさ・・・・・”
北海道だよー!
− ’95札幌夏物語 完 −
PS ”同じ思い出を共有できる人々がいるって、すごく幸せな事ですね!”
この言葉を生んだ3人の志士に感謝する。本当に ありがとう!
みんなの事、この12日間の事、生涯 わすれない。夢は果たせた・・でも・・
”95夏の北海道同窓会”でもやってやろーかと!俺の夢は、さらに加速する。
by イエロー・コージ