修理を済ませた俺たちは、”平湯温泉”という名のひなびた温泉郷に分け入って
いった。宿は、その温泉街の片隅にある小さな旅館だった。
水車のある岩風呂が自慢だということで、早速、俺たちは入ることとした。

バシャ!バシャ!バシャ!バシャ!

『あっ!あちーなー!・・・・・うっ!ふー・・・・・』
『ふーっ!やっぱ!温泉だなー!』
熱さに耐えながら、清適がうなずく。
『・・・・・・・・・・・・!』
『これが水車かー!』
バシヤ!パンヤ!バシヤ!・・・・・・・・
その岩風呂は、男女の風呂を大きな水車で仕切ってある風変わりなものだった。
『おい!清道ー!水車の動きに合わせると女風呂が丸見えだぜっー!』
『どーどー!・・・みっ!みえるーみえる!ウヒャー!うっ ! ・・・』
と、その時、女風呂に人の入る気配が・・・・?
『・・・・・・・・・!』
一瞬、二人の動きは止まったが・・・・・・・。
パンャ!バシヤ!バシヤ!パンャ!・・・・・・・・・・・
次の瞬間、二人は終始無言のまま、湯船でヒンズー・スクワットを
始めたのだった。
その姿は、男の性の悲哀に満ち溢れていた。
バシャ!パシヤ!バシヤ!パシヤ!・・・どれだけの時間が経ったであろう。
しかし、見えたのは女体らしき”はだいろ”だけ・・・。
その内、向う側から聞こえてきた”オバさん”の声でこ人は、そののぼせた体を
引きづって部屋に戻ったのだった。

『ちっ!確か、入ってきた時の感じは、若いギャル(死語)だったよなー!』
『そっかー?コージが勝手にそー思っただけだろーが!』
『なーにいってんだよー!おめーだって必死で覗いてたくせにー!』
ハッ・ハッ・ハッ・・・・・・ハー!