『でも、温泉はいいよなー!』
という俺の問掛けに、
『おー!とくにツーリングの後の温泉は・・』
清道が弾んだ声で答える。
『道も景色も最高だった・・・なんといっても天気がいい・・・』
そして、俺にはもう一つうれしい事があった。
『それに俺は、家庭の束縛も仕事のことも‥・何のためらいも無く出掛ける事
ができた・・・それは清道のおかげだ。』
『家庭に仕事か・・・・いつまで・・こ−ゆう事できるかなー・・・・?』
『俺も時々考える・・いつかは、いいパパに成って・・会社なんかも車で通って
・・・定年までシコシコ当り障りのないように生きていくんかって・・・。』
『バイクはいい!すべでを忘れさせてくれる。瞬間、瞬間のその走り・・・・
それだけだ。』
と言って、清道は仰向けに大の字になって話続けた。
『こんな気持ち・・・もっと大勢で楽しめたらいい・・・』
という問掛けに俺は身を乗り出して、こう答えた。
『どーだ!清道!チームつくらねーか!』
『・・・チームか・・・』
反応の少ない清道に俺は、さらに続けた。
『だせーかも、しんねーけどよー!こーゆー温泉旅行の楽しみを分ち合える
チームをよー!』
『俺たちでやろうぜ!・・・作っちまおーぜ!!』
『幾つになっても、何年たっても変わらない ・・・・・』
『・・・いや!変われねーメンバーのよー・・・チームをよー!!』
ブォオオオオオオオオオオーン!
”・・・清道!俺たちはチームだ!今も昔も・・・この先もよー!”
かってにアクセルをワイドオープンしていた。
瞬間的に車列の景色が凄まじい勢いで後方へぶっとんでいく。
ブォオオオオオオオオオオーン!